副業で売上300万円の税金はいくら?会社員・個人事業主それぞれの手取りを正しく解説
副業が軌道に乗ってくると、次に気になるのが「税金」です。
特に売上300万円を超えてくると、所得税・住民税・個人事業税が複雑に絡んできます。
この記事は、過去に手取り金額の記載で矛盾していた点を反省し、全面改訂しました。会社員の副業と専業の個人事業主、それぞれのパターンで手取りがどう変わるかを丁寧に解説します。
※副業の手取り計算から確定申告までスマホで完結。
結論|売上300万円の手取りは「立場」で大きく変わる
- 会社員の副業(事業所得として認められる場合):売上300万円の副業分の手取りは約110万〜140万円(本業年収により変動)
- 会社員の副業(雑所得の場合):青色控除が使えず、手取りは約100万〜125万円程度
- 専業の個人事業主(国保加入):社会保険料が重く、手取りは約170万〜210万円
数字の幅が広いのは、本業年収・経費・家族構成・加入する社会保険によって税額が大きく変わるからです。「売上300万円=手取り300万円」ではないのが最重要ポイントです。
前提の整理|そもそも会社員の副業は「事業所得」になるのか
2022年10月の国税庁通達(所得税基本通達35-2関係)以降、会社員の副業収入は原則として「雑所得」と区分される傾向が強まりました。
事業所得として認められるには、次の2つが必要です。
- 記帳と帳簿書類の保存(複式簿記による帳簿)
- 社会通念上の事業性(継続性・反復性・営利性)
特に収入300万円以下かつ本業給与の10%未満の場合は、個別の実態に応じて判断され、雑所得となる可能性があります。売上300万円ちょうどの場合、この判定が特に重要です。
事業所得と雑所得の違いは下記の通りです。
| 項目 | 事業所得 | 雑所得 |
|---|---|---|
| 青色申告65万円控除 | ◯ | ✕ |
| 赤字の損益通算 | ◯ | ✕ |
| 赤字の3年繰越 | ◯ | ✕ |
| 専従者給与 | ◯ | ✕ |
| 経費計上 | ◯ | ◯ |
税金の種類を整理する
① 所得税(国税)
累進課税(5%〜45%)で、会社員の副業の場合は本業の給与所得と合算して税率が決まります。副業分だけを切り出して税率を考えることはできません。
② 住民税(地方税)
所得割10%+均等割(年5,000円前後)です。副業所得も確実に住民税の対象になります。
③ 個人事業税(地方税)
業種ごとに3〜5%で課税され、事業主控除290万円があります。ブログ・アフィリエイトは地方税法上の法定業種に該当しないため、原則非課税と解されるケースが多いです。ただし自治体や事業規模によっては「その他事業」として課税される可能性もあるため、不安な場合は所轄の都道府県税事務所に確認してください。
④ 社会保険料(専業のみ)
会社員の副業の場合、社会保険は本業側で加入済みなので追加負担はほぼありません。一方、専業の個人事業主は国民健康保険と国民年金を自分で払う必要があり、これが手取りを大きく下げる要因です。
ケース1|会社員の副業(売上300万円・事業所得)
前提
- 本業年収:500万円(会社員)
- 副業:ブログ・アフィリエイト
- 副業売上:300万円
- 必要経費:80万円(サーバー、通信費按分、書籍、ツール、PC減価償却など)
- 青色申告65万円控除を使う(事業所得として認められた前提)
計算
売上:300万円
− 必要経費:80万円
− 青色申告特別控除:65万円
= 事業所得:155万円
追加の所得税(本業と合算した税率20%想定):約31万円
追加の住民税(10%):約15.5万円
合計税負担:約46.5万円
副業分の手取り:300万 − 80万(経費)− 46.5万(税金)
= 約173万円
ただし経費80万円のうち、PCや書籍など自分の生活・スキルアップにも使えるものが相当含まれるため、実質的な可処分所得はもう少し多い感覚になります。
ケース2|会社員の副業(雑所得)
同じ売上・経費でも、雑所得の場合は青色65万円控除が使えません。
売上:300万円 − 必要経費:80万円 = 雑所得:220万円 追加の所得税:約44万円 追加の住民税:約22万円 合計税負担:約66万円 副業分の手取り:300万 − 80万 − 66万 = 約154万円
事業所得との差は約19万円です。青色申告65万円控除が使えるかどうかで、年19万円の差が出ます。正しい帳簿をつけて事業所得として認めてもらうインセンティブは十分大きいのです。
ケース3|専業の個人事業主(売上300万円)
前提
- 専業の個人事業主(他に給与所得なし)
- 売上:300万円
- 必要経費:80万円
- 青色申告65万円控除
- 基礎控除48万円、社会保険料控除
計算
事業所得:300万 − 80万 − 65万 = 155万円 国民年金:約20万円/年 国民健康保険:約20万〜25万円/年(自治体差あり) 社会保険料控除:約40万〜45万円 課税所得:155万 − 48万(基礎控除)− 45万(社保控除)≒ 62万円 所得税:約3万円 住民税:約7万円 合計税金+社保:約50万〜55万円 手取り:300万 − 80万 − 55万 = 約165万〜170万円
専業の個人事業主は、会社員副業と違って社会保険料の自己負担が重いことが分かります。ただし社会保険料は老後の年金や医療保障の元になるため、一概に「損」とは言えません。
専従者給与(家族への給与)の正しい知識
旧版では専従者給与を節税手段として紹介していましたが、重要な要件説明が不足していました。正しく整理します。
青色事業専従者給与の主な要件
- 生計を一にする配偶者その他の親族
- その年の12月31日時点で15歳以上
- その年を通じて6ヶ月を超える期間、その事業に専ら従事していること
- 事前に「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出していること
重要な注意点|本業のある家族は原則NG
ここが旧版で欠落していた最重要ポイントです。
- 他に職業を持っている(正社員・パート等)家族は、原則として「専ら従事」とは認められない
- 学生(高校生・大学生等)も原則NG
- 配偶者控除・扶養控除との重複は不可
つまり「会社員の夫が副業で、正社員の妻に専従者給与を払う」は原則できません。安易に給与計上すると、税務調査で否認されて追徴課税になります。
経費の考え方と按分の目安
必要経費の基本は「事業に必要で、合理的に説明できるもの」です。按分の目安は次の通り(あくまで目安で、実態に応じて調整が必要です)。
| 項目 | 按分の目安 | 根拠 |
|---|---|---|
| 家賃 | 10〜30% | 作業スペース面積比 |
| 電気代 | 15〜30% | 作業時間比 |
| 通信費 | 30〜50% | 仕事利用割合 |
| スマホ | 30〜50% | 仕事利用割合 |
重要なのは「合理性・継続性・証拠」です。面積按分なら間取り図、時間按分なら作業記録を残しましょう。
メリット・デメリット
メリット
- 経費と控除で税額を合法的に最適化できる
- 学習投資がそのまま経費になる
- 帳簿をつける習慣がお金のリテラシーを高める
デメリット
- 帳簿管理の手間がかかる
- 事業所得として認められない場合、節税効果が小さい
- 税務調査で否認されるリスク
- 本業との合算で税率が上がることがある
FAQ
Q. 売上300万円なら個人事業税はかかる?
ブログ・アフィリエイトは原則非課税業種と解されることが多いです。ただし自治体によって判断が異なるため、都道府県税事務所に確認してください。仮に課税対象でも、事業主控除290万円があるため、所得がこれを下回れば個人事業税は発生しません。
Q. 会社員の副業で社会保険料は増える?
本業の給与から天引きされる社会保険料は、副業所得によっては増えません(本業の給与額で決まります)。ただし国民健康保険に加入している場合は、副業所得も保険料計算の対象になります。
Q. 経費を多くすればするほど得?
違います。経費は「事業に必要で説明できるもの」に限られます。無理に膨らませると税務調査で否認され、追徴課税+延滞税のリスクがあります。
副業の確定申告におすすめ|タックスナップ
この記事で紹介した帳簿管理・確定申告を、スマホだけで完結できるのがタックスナップです。
- レシート撮影でAI自動仕訳
- 銀行・クレカ連携で自動取込
- 会計知識がなくても確定申告まで完結
- 月額980円〜のコスパ
まとめ|「売上」より「手取り」で考える
- 税金は売上ではなく利益(所得)にかかる
- 会社員の副業は原則雑所得。事業所得として認められるには帳簿と実態が必要
- 売上300万円の手取りは、立場(会社員副業/専業/所得区分)で100万〜210万円と大きく幅がある
- 専従者給与は要件が厳しい。本業のある家族は原則NG
- 経費は「説明できる範囲」で計上する
小規模の副業や個人事業を始めたばかりの方には、タックスナップのようなAI自動仕訳のクラウド会計がおすすめです。複式簿記の知識が無くても、国税庁通達で求められる「帳簿書類の保存」のハードルをクリアしやすくなります。
お金の知識を「聴いて」深める
通勤や家事の合間にAmazon Audibleでお金の勉強をしませんか?
おすすめは『本当の自由を手に入れる お金の大学』。家計管理から資産形成まで網羅的に学べます。
👉 Audible無料体験はこちら(30日間無料・いつでも解約OK)
学びを「収入」に変える次の一歩
新しい考え方を学んだら、それを行動と収入に変えることで人生が動き始めます。兼業ブロガー・副業・AI活用など、30代から始められる具体的なロードマップをまとめました。
あわせて読みたい|副業の税金・経費記事
👉 確定申告は「損をしない」ための権利|会社員でもできる節税の基本
副業の税金・経費管理について、さらに詳しく知りたい方はこちらもどうぞ。
👉 【会社員の副業税金】売上200万円で手取りを最大化する正しい方法
副業売上200万円の税金と手取り最大化
👉 経費とは?副業の経費計上・家事按分の基本をわかりやすく解説
経費計上・家事按分の基本
👉 青色申告特別控除とは?会社員の副業でも使える?2026年最新の条件を解説
青色申告特別控除の条件と仕組み
※本記事は2026年4月時点の情報です。税制は毎年変わります。個別の税務判断は税理士等の専門家にご相談ください。
れおなるど・ゆう
確定申告をスマホで完結:タックスナップ
副業の確定申告、紙や複雑な会計ソフトで苦戦していませんか?タックスナップならスマホとカメラ1台で、レシート撮影・カード連携・提出まで全てが完結します。
会社員の控除申告(ふるさと納税・医療費控除・住宅ローン控除)と、雑所得20万円超の副業申告は無料プランで利用可能。個人事業主の事業所得申告(青色申告含む)は有料プラン(カンタン年26,136円/安心年32,780円)となります。